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911DAYS メイキング NINE ELEVEN DAYS Vol.2ポッカ1000kmレース 真夏の鈴鹿インサイドレポート

 

更新日: 2007年02月01日

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編集部が総出で、8月27日に鈴鹿サーキットで行われたポッカ1000kmの取材に行って来ました。本戦の模様は、本誌に鈴木英紀氏のレポートでお贈りしていますので、詳しい内容はそちらをご覧いただくとして、ここでは編集部による「ポッカ1000kmインサイドレポート」をお贈りしようと思います。

【予選】8月26日

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チーム・タイサンの26号車。ポッカ1000kmには、ル・マン24時間でクラス優勝を遂げたマシンを持ち込んでいました。GT3Rの前に並べられたトロフィー、ボンネット上のレイはル・マン24時間のもの。予選の忙しい中、千葉監督は編集部のわがままを聞いて、わざわざ特別にこの写真を撮れるよう段取りしてくれたのです。感謝。 チーム大黒屋が本誌のステッカーを貼ってくれました。で、決勝は、クラス4位入賞! これには、編集部一同大盛り上がりでした。写真は冷気を送って、ドライバーをクールダウンさせているところ。いや、ホント真夏の鈴鹿は暑かった。
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【決勝】8月27日

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BP.・RDタイサンGT3Rの給油作業。間近で見ると、緊張感と緊迫感で、すんげェ迫力です。 フライジンガー1号車にメカニカルトラブル発生。サブエンジンからパーツを取り外して移植し、なんとかレースに復帰しました。ピット作業の時間はけっこう長かった。
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表彰式。チーム・タイサンの26号車、松田・福山・西沢組がクラス優勝。しかも総合4位(!)を獲得したことは本誌でもお伝え済み。この表彰式、盛り上がったのなんのって。ともかく感動的な瞬間。松田さん、おめでとうございます! 表彰式後の、チーム・タイサンのパドック前でのショット。これもすんごい盛り上がりだった。2000年シーズンのチーム・タイサンは、あらゆるレースでとにかく強かった。

1000kmを走り終わってピットに戻ってきたマシンたち

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クラス2位入賞を果たしたチャージポルシェ。 クラス4位入賞のチーム大黒屋。
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クラス3位に入賞したもう一台のチーム・タイサン、BP・RDタイサンGT3R。 クラス優勝のチーム・タイサンのシェルアドバンタイサンGT3R。

編集部めみたのポッカ1000kmインサイドレポート

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 夏真っ盛りの8月26日・27日の鈴鹿サーキット。私も伝統のポッカ1000km耐久レースの取材へ行ってきました。観客席からレース観戦は何度もがありますが、鈴鹿のピットで観戦するのは今回が初めての体験です。

 今年のポッカ1000km耐久レースの一番の見どころは、FIA GT選手権に参戦している「インターナショナルGTクラス」と、全日本の「GT500クラス」とのハイパワーカー対決。特にポルシェファンの私としては、全日本では既に型落ちになってしまったものの、今でも世界選手権で大活躍しているフライジンガーのポルシェ993GT2が、全日本のGT500勢を相手にどこまで太刀打ちできるのかが大変楽しみでした。

 レースが幕を開けると、フライジンガーGT2はまるでスプリントレースのようなハイペースで激走。直進性能の劣るポルシェがNSXやスープラなどのGT500勢をストレート区間であっさりとパッシングして行くシーンは、国内レースではなかなか見られない光景です。あまりにあっさりと抜き去ってしまうため、外から見ていると楽々クルージングをしているようにさえ見えます。しかし、快調に激走を続けるマシンとは逆に、クールスーツを使用しないフライジンガーのドライバーは暑さでヘトヘトのご様子。マシンから降りたドライバーが口々に不満を漏らす場面も多く見ました。
 そんな大活躍のフライジンガーのピットには、レースの流れに対応して作戦を変更できるように、真っ新なスリックタイヤ、皮むき済みのタイヤ、他にも内圧の異なるタイヤ(マーキングから判断)などが多種多様に用意されていました。この辺りも昼、夕、夜と路面コンディションが大きく変化する耐久レースならではの見どころですね。せっかくなんで、クルーの目を盗んでスリックタイヤに触ってみました。

 未使用のタイヤは表面がスベスベしており、まるで固い消しゴムのような感じです。内圧も相当高いらしく、拳で叩くとコンコンと軽い音がしました。一方、軽く皮むきされたタイヤの表面はネバネバに変化しており、べっとりと溶けたショルダー部は簡単に爪が立つほど柔らかくなっていました。こんなに柔らかいと、すぐに削れてツルツルになってしまいそうな気もしますが、タイヤ交換なしで数100km走りきっていたところから判断すると、意外に保つものなんですね。

 レースを盛り上げてくれたのは、インターナショナルGTクラスとGT500クラスだけではありません。たくさんのプライベーター・ポルシェがエントリーしたGT300クラスも見どころ満載でした。特にGT300クラスでダントツの速さを見せつけてくれたのは、チーム・タイサンの26号車。その26号車をドライブしたのは松田選手、福山選手の全日本GT300ベテランコンビと、若手の西澤選手。予選前のピットでは、大ベテランの松田選手が、まだポルシェでのレース経験の少ない西澤選手を気遣って「1つ目のデグナーは4速で、2つ目は3速で……」と、鈴鹿の難所の一つであるデグナーカーブの攻略法をレクチャーしていました。その甲斐もありタイサン26号車は、クラス優勝を果たした今年のル・マンを彷彿させるようなアグレッシブな走りで鈴鹿のファンを楽しませてくれました。

 タイサンの激走とはあまり関係がありませんが、レース前にタイサン26号車のコックピットを覗いてみると、リアのバルクヘッドには、なんと交通安全のお守りが! 最新のテクノロジーが集結したレーシングカーと、古典的なお守りとの組み合わせって、味があって良いですよね。

 縁起物といえば、タイサンのピットには、千羽鶴も吊り下げられていました。この千羽鶴は、鈴鹿市出身の福山選手の母校の小学生が一生懸命織ってくれたものだそうです。レース当日は、その小学生達も福山選手の応援に駆けつけてくれました。

 クラスの異なるマシンが混走し、あちらこちらでバトルを展開すると、当然アクシデントやトラブルに見舞われます。しかし耐久レースの良いところは、スプリントレースではリタイヤしてしまうようなトラブルやアクシデントが発生しても、それが致命的でない限り、なんとか応急措置を施して再びレースに復活することが可能な点です。GT300クラスの外車の外国屋アドバンポルシェもそんな1台でした。

 大きなトラブルもなく着実に周回を重ねていた外国屋アドバンポルシェは、レースの中盤にNSXと派手に絡んでリアウイングを大きく破損。なんとか自走でピットへ戻り、リアウイング&エンジンフードを即交換。交換作業に長い時間を費やしたものの、無事コースに復帰し見事完走を果たしました。

 レース結果は、インターナショナルGTクラスは羽根幸浩選手のドライブしたフライジンガーの993GT2が見事に2位入賞。ポルシェ勢が熱いバトルを演じたGT300クラスは、タイサン26号車が1位、チャージポルシェが2位、タイサン28号車が3位と、ポルシェ勢で表彰台を独占。GT300クラスの表彰式には松田選手や福山選手のお子さんや、故小河等選手(92年・鈴鹿F3000のレース中の事故で他界)のお子さんまでもが飛び入り参加して表彰台で大騒ぎ。おかげでGT500クラスに負けない、ひときわ賑やかな表彰式となりました。

 あまりに暑さに見ているだけで倒れそうになってしまった、2000年最後の鈴鹿1000km耐久レース。脱水症予防対策に、500mlのペットボトル・ジュースを5本も飲みましたからね。しかし、その暑さを差し引いても実に楽しい一日でした。そりゃそうですよ。なんといっても鈴鹿1000km耐久レースは、今一番人気のあるGT選手権のお祭りみたいなイベントですからね。しかしレースというものは、見ていると自分も出場したくなるものですね。夕暮れの中、ヘッドライトの明かりを引きずりながら疾走して行くマシンを眺めていると、知らぬ間に未来の鈴鹿1000kmに出場している自分の姿を重ね合わせてしまっていました。「真夏の夜の夢」というやつですかね?
 と言うわけで、これからも機会があればピット裏に潜入し、実際に見て触って気づいた事柄をお伝えして行きたいと思っています。

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NSXと接触してリウイングを破損したにも関わらず、なんとか応急処置を施し戦線復帰。見事完走を果たした外国屋アドバンポルシェ チームタイサン、福山選手の母校の小学生が一生懸命作った千羽鶴。彼ら彼女らの願いが通じて、福山選手は優勝を勝ち取った。
 

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