羽根幸浩のS耐日記通算26回 気合を入れて望んだ最終戦鈴鹿も思うようにいかず
2002年12月20日
今シーズン、なにかと不運に見まわれ続けた我らが羽根選手。02年を締めくくる最終戦の鈴鹿サーキットには決意を持って望んだわけですが、レース中盤相棒にバトンタッチをした後コースアウトがあり表彰台から見放されてしまいます。はああぁぁ……、なんとも思うようにいかない1年でした。
今シーズンも最終戦、鈴鹿にきてしまいました。
振り返ってみると何かとうまくいかず不満タラタラの前半戦、マシンの調子は良くなっても結果が出ずイライラの後半戦。どちらかというと、いいとこなしの不完全燃焼の1年でした。
背水の陣で望んだ最終戦の鈴鹿も、予選では何とか8秒台には入れたものの、8秒に入れば6、7番手と予想していたんだけど、実際フタを開けてみると14番手。仕事的には、かなりギリギリまで行っているし、今回の予選はホント余裕がなかった。なにせ0.1秒で5番手ぐらい違っちゃうんだから……。上位を狙っていたんだけど、力及びませんでした。実際には、ポルシェの中ではほとんど差はないので、考えようによってはみんなイイ線いってるってことだとも思う（編集部注：ポルシェ上位陣の予選順位は、10位ナインテン＃910、12位タイサン＃24、13位タイサン＃26、14位タイサン＃28羽根号）。鈴鹿は、今のポルシェにはキツイし。
どこがキツイかっていうと、コーナーの連続するところや高速コーナー。鈴鹿名所のS字は、切り替えしの待ってる時間が長くて駄目！ 高速コーナーは、侵入スピードが国産勢に比べると遅いかな？ シケインの中も？
話が逸れた。
えと、決勝にいきましょう。
今年最後のレースだけに、鈴鹿は絶対にノーミスでいこう！ って自分に言い聞かせていました。最終戦っていうのは、いろいろな状況によって気持ちの持って行き方が違ってくるので、まさに特別なレースだと思う。ある年は、自分に「絶対行くぞ！」って言い聞かせて、最後ぐらい見せようと望んだこともあるしね。「大事に行けば、○番手に入れる」なんて計算して、結構プレッシャーのかかる年もあったし。
で今年はというと、少々冷めてて対外的なアピールよりも自分に対しての締めくくりという意味でとにかくノーミスなレースを心がけた。プロとしてノーミスなんて当たり前だし……、いつもそうなんだけど、最終戦は特別かな。
決勝は、スタートも無難にこなし順調に周回を重ねて10周を越えるぐらいからは、かなりペースもよく前の集団に追いつくことができた。スピンやコースアウトで何台かのマシンが脱落するのを横目で見届けながら（いつもは、ヨシ！ なんて叫んじゃうんだけど、今回は無感情）、この時点で8番手となっていました。しかも前3台は、ダンゴ状態で僕のペースは確実に前の車より速い。GT500のマシンが割って入って間隔が開いてしまっても、すぐつめることができました。しかし、安全にパスする決定的な差は、この辺の順位にくるとなかなかありません。いつもは無理して行っちゃい気味な僕も、今回は前の車が24号のチームメイトということもあって押さえ気味！ 7番手で相棒にバトンタッチ。
ピットインのタイミングもまったく同じで差はない。タイヤ交換に少々てこずって間隔を空けられてしまったが、何とか追いついてくれることを祈りつつドリンクを飲んでいたとき、ピットウォールのサインマンと目が合った！ 今年、何度もある光景。イヤな予感とともにモニターに目をやると、何かあったことは間違いない。そこに映ったのは、コースアウトし道なき道を行く我らが28号車。そのまま走り続けるものの、表彰台に届く最後のチャンスもここで消えてしまいました（編集部注：決勝8位）。何もなければ、行っていたと思う。タラレバ！
こんな「タラレバ！」の一年でしたが、応援ありがとうございました。
来年は、ラジコンのレースにでもしとこかな……。
