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羽根幸浩のS耐日記通算39回 番外編 なぜかマカオ

2004年03月17日

今シーズンのレースを終了した羽根選手は、なぜかマカオへと飛んだのでした。




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 11月15、16日。なぜかマカオGPを見に行ってきました。

 S耐のメンテナンスをするKTRが、十勝24時間で僕といっしょに走った谷口選手をドライバーに起用してギアレースに出るんで、その応援とカレラカップ・アジアの見学というわけです。メインは遊び! まあ、俗に言う口実というやつですね。

 火曜日にチケットを取って、金曜にホテルを決めました。50周年ということで2週間に渡りマカオはお祭り騒ぎなんで、航空券は、……行きは福岡回り、帰り成田回り……と、少々面倒くさい。ホテルは、泊まりたかったマンダリン(ここだとマカオは、非常に都合がいい)は、レースウィークで2泊6500香港ドル(約97,500円)。昔は、高いところに泊めてもらってたんだァと感心しつつも(寝るだけにはちょっと高いもんね)、パスしてホリディイン4000香港ドルのビジネススイートへ。っていうか、そこしか空いてない! 一人で泊まってもなァ。

 飛行機は、FIAGT時代の遺産、鬼のようにたまったマイルがあるのでビジネス。なぜか、リッチなマカオになりました。今は、香港空港から直接マカオに行けるターボジェットが出ていて、空港からマカオまでうまく乗り継げれは、1時間。空港に着くと、カウンターを探してチケットを買います。帰りのチケットを予約しようと聞くと、ぜんぜん空いてるから、向こうで買えと笑ってあしらわれます。飛行機も、フェリーも乗っている間はほとんど寝ていたので、すぐマカオに着いちゃいました。寝ておくのは、重要です。

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マカオはこんな感じ  

 とりあえず、ホテルにチェックイン。まずはキャッシュディスペンサー探さないと始りません。財布の中には、2万円とカード3枚。いつもそうなんですが、現金持ち歩かないんです。FIAGT時代のヨーロッパ遠征のときも。今はユーロになっちゃいましたが、国によって貨幣が違うとカードで引き出した方が面倒くさくないんです。どこの国にも、24時間のキャッシュディスペンサーは、探せばあるんで。

 今流行の、ボーダホンてやつを買って来たので、現地に先に入っているチームの仲間と電話して連絡を取ろうと試みますが、ぜんぜんつながりません。広東語で何言ってるかわからないメッセージ。回線混んでるのかな? 夜8時を回る頃、この時間はみんな忙しいんだろなァ。ロビーで見つけた知り合いと食事をし、金曜の予選の様子を聞きます。

 #25谷口選手は、予選に失敗して8位。表彰台までなんとか行きたいねェといった感じ。ここはマカオ、なにがあるか分かりません。なにもないことはないのですから。十分、チャンスあり。

 日曜。決勝日の朝8時20分から、ギアレースのウォームアップが始ります。しかし、僕はまだ寝ていました。9時にPCJ(ポルシェ・クラブ・オブ・ジャパン)の方と待ち合わせをすると、マンダリンホテルの駐車場から観戦することにします。マンダリンコーナーに面した駐車場が、有料で観戦場所になっています。意外とよく見える。ちょっと看板がジャマだったけど。日本より、コースの近くで見れるので迫力が違います。

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  マカオGP。市街地コースなので、もちろんエスケープゾーンはなし。赤/黒のアドバンカーを駆るのは、今年のスーパー耐久の十勝24時間で一緒に走った谷口選手

 いよいよ、決勝スタート! しかし! 谷口選手がいないじゃん。スタート直後、目の前で何台かがクラッシュ。ペースカーが入り、回収作業が行われます。すると、いたいた#25発見。どうやらピットスタートだったようです。ミッションの調子が悪く、積み替えるのが間に合わなかったみたい。それでもなんとか第1ヒートは追い上げ、12位でフィニッシュ。2ヒート目に期待します。

 15分のインターバルをおいての2ヒート制レースのため、おのずと1ヒート目は確実に、2ヒート目はみんなかなり勝負してきます。これもリスクの大きいマカオのコース特有の面白さの一つです。

 2ヒート目、8位まで順位を上げたところで赤旗。モニターを見ると、クルマが横を向いてコースを塞いでしまっています。その直後に見える赤/黒のマシンは……谷口選手。クルマを覗き込んでいるのが見えます。当たってるかな?

 やはり、残念ながらフロントサスペンションを壊してリタイアとなってしまいました。ですが、これもレース、彼はまだ若いんで、次のレースのための肥やしにするしかないです。レーシングドライバーなんだから、天と地の差はよく分っていると思うし、両方を誰もが味わっています。

 次は、待望のカレラカップ・アジア。

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  カレラカップ・アジアの参加車両。すべて03年モデルで競われる

 パドックで日本から唯一出場の川越選手の前で、写真を撮ってきました(メインカットね)。直接は面識はないのですが、何年か前、僕がマカオGPへレースをしに来たときにも、スーパーカーレースにポルシェで参戦していらっしゃったのをパンフレット上で記憶しています。積極的に、マカオのレースに出場していらっしゃるようです。う~む、こういったレースにプライベートで参戦できるように、引退後なりたいな~なんて、ちょっと憧れます。ま、それまでにウンと稼いでないと無理でしょうけど……。

 ポールポジションは、F1にも乗ったアレックス・ユーン選手。全車が03モデルなので日本とは若干雰囲気が異なります。舞台も公道レースのマカオということで、なんかポルシェによく似合う。パドックの雰囲気も、リスキーなマカオだけにスタート前の緊張感は高いように感じられました。

 で、いよいよスタート。1周目は何事もなく若干トップが引き離して帰って来ます。その後、トップから5位まではほとんど同じペースで周回を重ね、若干ですがトップとの差が詰まって来ます。2位の選手のペースがよく、山側ではテール・トゥ・ノーズの状態。しかし、ここで1台がクラッシュ。ペースカーが入ります。回収が終了し、再スタート。

 ところが、ここで2位が間隔を開けすぎ失敗。トップ、ユーン選手との差が開いてしまいます。それでも追い上げ、後ろまで迫りますが残り3周ほどをまとめて、ユーン選手がトップでチェッカーを受けました。このトップ争いが一番の見せ場だったと思います。

 僕の感想では、前方の5台はレベルも均衡し高いレベルにあると思います。アジアカップは、クルマのメンテナンスと輸送を一括して行っているため、車両のレベルはほぼ均等に保たれています。それと、ほとんどが年に1度しか走らないコースでレースが行われるため、練習もなく違った意味で技量の差、面白さが出てこれがいい。

 スタイル的にはヨーロッパのレースに近い感じで、僕には楽しそうに見えました。こういった場所に、日本のポルシェでレースをするみなさんもたくさん参加されると、違ったものを発見できて楽しいのではないかと思います。時間とナントカはかかりますが、それをできる人には十分価値あると思います。まずは、マカオへ観に行ってみてはどうでしょうか? 絶対やりたくなりますから!

 最後の夜、PCJの井上さん(スーパー耐久レースのPCJアドバン・ポルシェのドライバー)と2人で遊ぶことにしました。まずは、サウナとスペシャルマッサージ。どこの国でもそうですが、スペシャルの意味とシステムは、確認しましょう。そのあと、ピノキオというポルトガル料理を食べに行きます。もともとマカオはポルトガル領で、僕が初めてレースに来たときからこのレストランはあります。15年前かな~、きっともっと前からあるんだろうけど。かなり道中の雰囲気は変わっていました。前は、どこへ連れていくの? と不安になるほどかなりヤバイ感じの道を通って店に入っていきましたが、いまはネオンがいっぱいで明るい! ここ数年の変わり方にびっくりしました。中は変わっていませんでしたが、その頃はモダンに感じた店内も、今は周りの近代化の方が早く、ちょっと古ぼけた感じで懐かしかったです。カレー味の蟹とイワシは、なぜかここの定番。やっぱりここが一番ですね! 僕には。値段も安くて、美味しかったです。一度行ってみてください。

 最後の夜なんで、温存した体力を夜のマカオで発散することにします。まずはカジノ。その道のプロ、井上さんにバカラなるものを教えてもらってやることにします。前来たときは、乗車手当(ドライバーのギャラね)ぜーんぶココに置いてきたな~なんて思い出しながら、またまたハマってしまいました。分かっていてもハマってしまうのは、クルマと女とコレでしょうか?

 ここでもカードが威力を発揮します。カードでチップ買えるんです。一応買い物なんで。あ、もちろん、パスポートいりますよ! 盛り上がりながら、5時間に3度チップを買いに走り、やっぱり全部置いてきちゃいました。井上さんも調子悪く全部置いてきました。さっぱりしたねー! なんてワケ分からないこと言いつつサンドイッチを食べながら、ハマってしまうもう一つのものを見てました。

 3時間睡眠を取り、帰路に向かいます。フェリー乗り場で、チケットを買おうとすると、……チケットがない! 満席売り切れ! やられたー! 9時10分の直行便で空港に 10時着。11時25分発の飛行機に乗る予定が……、9時の香港行きで10時香港着。税関を通るのに時間がかかって、タクシーで40分混んでたら間に合うかなー? と、いろいろ想像を巡らし、遅い税関にムカつきながら、タクシーに乗ったのが10時20分。なんとか飛ばしてもらってチェックイン。カウンターに着いたのは11時。なんとか間に合ったー! ロンドンでもパリでもそうだったけど、いつもぎりぎり間に合うんだなァ……。こういう運は強いかも。博打は駄目でもね。しかし、いつもドタバタ道中。人生感じます。

 

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