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羽根幸浩のS耐日記通算48回 第4戦 十勝インターナショナルスピードウェイめざせ表彰台! その1

2005年09月05日

十勝24時間にこれまで4回参戦し、優勝3回、3位1回という表彰台獲得確率100%の我らが羽根選手。そんな羽根選手が、今年自身5回目となる十勝24時間に挑みました。もちろん、狙うは表彰台。できればそのてっぺんに。そんな思いを胸に抱き、十勝24時間の火蓋は切られたのでした。羽根幸浩の十勝24時間参戦記、まずは1回目。

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 自分で言うのもなんですが……、ポルシェの走行距離では、日本人最長ではないかと思います。レースはもちろんのこと、普段の移動でもほぼ毎日乗っていますから。普段の足は、たまに“浮気”するけど、それも一瞬ですぐポルシェに戻りますしね。現在は、964ターボ 3.6エクスクルーシブと911Tに乗っていて、997CarreraSを買おうかどうしようか迷っているところです。と、余談はさておき、本題に入りましょう。

 一身上の都合で、スーパー耐久の2~3戦を欠場し体勢を立て直しての第4戦十勝24時間。僕自身にとっては、十勝24時間は非常に愛称のいいレースなんですね。第1回は、長谷見さんとスカイラインGT-Rで総合優勝し、それからの2回はインテグラ(何クラスだったかな?)GT300クラス(993RSR)でともにクラス優勝。そこまでは、勝率100%だったわけですが、一昨年のスーパー耐久1 クラス(996GT3)でハズして3位、しかしまだ表彰台に乗る確立は100%……。

 24時間レースとしては、ル・マンなんかを含めて今回で11回目となります。十勝は5回目。ポルシェでの24時間レースは7回目。あまり意味のない数字ですが、よくやっているというか、なんというか……。

 それはともかく、今年もいってきました24時間レース。

 わがチームの996GT3が抱えていたブレーキのトラブルも解消し、ブレーキパッドも、アケボノさんにご協力いただきテストでのブレーキフィーリングは、これがポルシェでしょ! って感じに戻りました。タイヤへのマッチングは、完全には取れていませんが(少し時間がたりない……)、24時間の長丁場なので、安定したペースで走れることを優先してセッティングはそこそこに、トラブルなく乗り切れるよう準備を進めてきました。とはいっても、24時間レースでなにもなかったことは一度もないんですが……。

 鈴鹿8耐のテストで1日遅れて伊藤選手が合流。今回は、佐藤信也選手とカレラカップに出場している堀田選手を迎えて4人で戦います。金曜、土曜と予選もないので、どのチームも決勝に合わせた調整で、いったいみんながどれぐらいのペースで走るのかがなかなか見えてきません。パッドのライフとか、燃費、タイヤのライフと相談しながら、決勝のペースを想定して行きます。が、4人がなかなか同じようなペースで走れず、ちょっと予想外の調整が必要で頭が痛い前日でした。

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  決勝直前のピット作業風景

 しかし、ここまでくると最善を尽くすしか手も時間もなく、それでも順調に走りきることができれば結果がついてくるのが24時間というレースです。レースって人の不幸わが身の幸福、みたいなところがありますが、24時間に限っていえば、願うと必ず自分の身に帰ってくるので、無心で最善を尽くすのが正しい取り組み方ではないかと僕なりには考えています。例年のように、帯広の町を深夜徘徊することもなく、おとなしく週末を過ごし、レース当日となりました。

 当日は予想を上回る暑さで、スタート時刻の午後3時にはクールスーツ着用! ドリンクボトルよし! 万全の装備でスタートラインに着きました。

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左奥が羽根選手。右手前が伊藤選手だ。決勝直前に最終打ち合わせ   5番グリッドに付く、スケープ45スペックスポルシェ。スタートドライバーは羽根選手だ

 スタートが切られ、5番手スタートから序盤に3番手まで順位をアップ。前の2台のペースは速く、視界から何とか消えないようにがんばって着いていきます。が! 水温のワーニングランプが点灯!! 着いて行くのを早々にあきらめ、水温と相談しながら回転を300rpm落としての走行に切り替えます。そうすると、水温も安定。なんとか100℃。がんばってしまうと105℃になってしまい。ちょっとまずい。カップカーのECUは、水温が105℃を越えるとタイミングを遅らせて燃料が濃くなり、エンジンを守るセーフモードに入ってしまいます。そうすると、遅くなってなおかつ燃費も悪くなる。

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  スタートして数周は3位をキープして走行。だが、水温が上昇して思うようにペースが上げられなくなってしまった

 水温を気にして走行するうちにZが追いついてきて、テール・ツー・ノーズの状態が続きます。3速で回転を抑えて走りたいところでつつかれ、ストレートで離し、たまに2速で走って差をつけたり、と均衡状態が続きました。が、予想以上にタンクが軽くなってからのアンダーステアが強く、Zを一度前に出して着いて行くことにしました。離されることはないし、その方が自分のペースで走れるので。

 燃料のワーニングランプが点き、最初のルーティーンにピットへ戻ります。この時点ではとりあえず順調。少しアンダーが強いかなと伝え、ドライバー交代。交換したタイヤも、いい状態で最初の予定どおり左側だけの交換で右側は、2スティント行けることを確認できました。

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  タイヤ交換は左側2回に右側1回のペースで行った

 このタイヤ交換であれば、ピットの時間も短く(ほかより僕たちのピット作業はちょっと時間がかかる)、タイヤ代も節約でき一石二鳥! その後、予定通りのルーティーンで順調に周回を重ねましたが、ペースがいまいち。なんとかせねば! 25号車(アドバン・ドナーゲ GT3)が早くもハブのトラブルで作業に時間をとられている頃、僕たちのマシンはリザーブのポンプが不調で、燃料の残量ぎりぎりまで走ることが難しくなってきていました。通常は、ワーニングランプが点灯しガス欠状態が出てから、リザーブのスイッチを入れてピットに帰ってきますが、リザーブポンプが動かないとワーニングが点き始めて数周で余裕を持って入る必要があり、64周走る予定が63周でピットインすることになりました。たかが1周されど1周。24時間走ると、その差が1回の余分なピット作業になってしまう可能性が大きくなってしまいます。2回目のスティントでは、伊藤選手のペースも上がって安定し、いい感じになってきました。このあたりの順応性はさすがですね! いつもそうですが、レース中に帳尻が合ってくるんです、彼の場合は。鈴鹿8耐前なので身体的には充実して、体力は十分。早速2回連チャンで行ってもらうことにしました。涼しくなって、トレーニングにはならないかもしれないけど……。行ってらっしゃい、とサインを出したところ、ちょっと嫌がっていたような……。

 ということで、続くデス。

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元WGPライダー(ようは4輪でいえば元F1パイロットということ)伊藤真一選手   ドライバー交代に備える羽根選手。少し見にくいかもしれないが、左腕には“911DAYS”ワッペンが貼られている
 

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